わたしの意見-
水野 創

子育て世代の応援を

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年9月15日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

  高齢化の話題を取り上げたら、子育て世代についても取り上げてほしい。「何歳くらいで何人の子供がいるのか」、「支援策の内容は」といったご要望、ご質問をいただきました。

 令和3年版「少子化社会対策白書」によると、男女の平均初婚年齢は2019年にそれぞれ31.2才、29.6才、第1子から第3子までの出生時の母の平均年齢はそれぞれ、30.7才、32.7才、33.8才。1世代前の1985年と比較すると、平均初婚年齢はそれぞれ3.0才、4.1才、出産時の母の平均年齢はそれぞれ4.0才、3.6才、2.4才上昇している。子育て期間を成人式までとすると、子育て終了は40代後半から50代前半まで延びたことになる。

 この間、夫婦にたずねた理想的な子供の数は2015年で2.32人と1987年のピーク2.67人から低下、実際に持つつもりの子供の数も2.23人から2.01人に低下している。

 そして妻にたずねた理想の子供数を持たない理由の一位は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」となっている(表1)。

 こうした状況の下で、子育て支援で有名な流山市の少子化対策を見ると「市外で働きながら子育てできるまち」、「子どものそばで働けるまちづくり」と、「働く」がキーワードになっている(表2)。安定した収入を確保し、子育てから離れる時間が育児の心理的、肉体的負担の軽減にもつながるのだろう。

 実際、子育て世代や子どもの人口が増加し、同市の合計特殊出生率は2017年で1.62人(千葉県内2位、2004年1.14人)、全国平均1.43人(同1.29人)、千葉県平均1.34人(同1.22人)を上回っている。

 流山市はつくばエクスプレス、常磐自動車道沿線で交通利便性にも優れる。それぞれが地域の状況に応じた積極的な応援ができるとよいと思う。

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