わたしの意見-
水野 創

流山市は第3次ベビーブーム?

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年9月24日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  国勢調査(速報)で人口増加数・増加率県内第1位となった流山市(5年前比+25,587人、+14.7%)の人口構成を見てみよう。

 2005年のつくばエクスプレス開業を挟んだ、2000年から2015年まで4回の国勢調査の5歳ごとの人口はグラフ下段の通りである(2020年は11月の人口等基本集計で発表)。

 ①年齢別人口には、第1次(1947~49年)、第2次(71~74年)、二つのベビーブームの山があり、5年おきの調査毎に右に移動している(高齢化している)。

 ②つくばエクスプレス開業前の2000年から2005年は概ね同じ形で平行移動している(転出入の影響は少ない)。また、第1次の山が最高。これに対し、開業後は、出産・子育て世代を中心とする若い世代の転入増加で山が高くなり、第2次の山が最高となった。

 ③出産・子育て世代の増加に伴い、2010、2015年は14歳以下の子供の人口も増加。小さな山だが第3次ベビーブームに相当する山を形成。この山は千葉県のグラフでは見られない。

 もっとも、グラフが示す通り山の後には谷がある。流山市も子育て世代、子供の持続的な増加が保証されているわけではない。

 11月の人口等基本集計で、年齢別の増減状況・第3次ベビーブームの規模を確認したうえで、今後の出産・子育て世代減少・高齢化進行期における地域の持続的な発展策をうみだすことが次の課題だ。子育て支援、交通利便性を活かしつつ、流山市で育った子供たちが流山市に住み続けたくなるような次のシティーセールスに注目したい。

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