わたしの意見-
水野 創

圏央道県内区間全線開通への期待 ―圏央道建設促進県民大会に代わる促進活動で―

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年10月15日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 標記促進活動として、講演「圏央道 これまでの経済波及効果と県内区間全線開通への期待」をオンラインで行った(10月14日。圏央道建設促進県民会議主催)。

 2024年度が目標の圏央道の県内区間全線開通により、県内区間が単に一本につながるだけでなく、藤沢IC~大栄JCTと松尾横芝IC~木更津JCTに分断されていた圏央道が、木更津JCT~藤沢ICで一本につながる(図表)。

 圏央道沿線各地だけでなく、東関道、常磐道、東北道、関越道、中央道、東名高速沿線各地との移動が円滑になる。東京湾岸各道路の渋滞時の迂回路にもなる。

 これより、どのくらい通行量が増加するか。今回はNEXCO東日本の交通量データをもとに、先行してネットワークが拡大した阿見東IC~稲敷IC間の例を紹介した。

 2009年に開業した同区間は、阿見東ICに隣接した「あみプレミアム・アウトレット」も同年開業しているが、当初はつくばJCTで常磐道と接続するのみだった。ネットワーク化が本格化したのは、2015年6月の圏央道延伸による大栄JCTでの東関道接続から。その後、2017年2月には東北道等まで延伸。

 そして接続後、同区間の交通量は(GW最初の休日のデータ)、2015年比で約2倍(2016年)、約2.5倍(2018年)と増加している。

 大栄JCT~松尾横芝IC間が開通する2024年度は、パリオリンピック・パラリンピックの年。成田空港を通じた海外との人の交流も従来のトレンドに復しつつあることも期待される。

 松尾横芝IC~木更津JCT間でも通行量は大幅に増加するだろう。

 増加がどのくらいの幅になり、新たな利用者に実際に訪れていただけるかは、地域の魅力による。今から準備を加速したい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。