わたしの意見-
水野 創

変わる。圏央道県内区間全線開通後の広域観光ルート

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年10月21日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 2024年度が目標の圏央道の県内区間全線開通後、成田空港、羽田空港に到着されたお客様の千葉県を含む広域観光ルートのイメージは変わると思う。

 現在の広域観光ルートの代表的なものは、国土交通省が2016年に認定し、2017年に公表された広域観光周遊ルート「東京圏大回廊」のうち「自然大回廊(太平洋)コース」だが、ここに示されるルートでは圏央道は意識されていない。圏央道の木更津~松尾横芝間は2013年に開通していたが、行き止まりで回遊イメージを持てなかったのだろう。

 圏央道が県内区間全線開通すると、成田空港、「新・成田市場(成田市公設地方卸売市場)」に隣接する「成田小見川鹿島港線IC(仮称)」が設置され、「成田空港~圏央道~木更津~東京湾アクアライン~浮島~羽田空港~湾岸・(東京)・東関道~成田空港」という新たな回遊コースが明確に意識されるだろう。浮島から横浜、鎌倉等、神奈川県の観光地を巡ることもできる。

 銚子・九十九里浜から房総半島の観光地は、圏央道から館山道や銚子連絡道、長生グリーンラインなど、整備が進められているアクセス道路を通じで訪問される。

 圏央道の大栄、成田空港方面からの北関東、茨城、東北、そして成田空港のお客様、東京湾アクアライン方面からの東京、神奈川、静岡、山梨、そして羽田空港のお客様と、多方向からのお客様をこれまでより円滑にお迎えすることになる。

 2024年度までの間に、アクセス道路の整備などインフラ整備を進めるとともに、上記「自然大回廊(太平洋)コース」にある偕楽園、鶴ヶ城、日光、鬼怒川温泉などに匹敵するブランド力を確立していきたい。

 開通が楽しみだ。

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