わたしの意見-
水野 創

注目!道路の老朽化対応状況

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年11月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 圏央道の県内区間全線開通をはじめとする交通インフラの新設が着実に進んでいる。一方で建設後時間が経過し老朽化が進んでいる道路も多く、これらについては機能に支障が生じる前の予防保全を確実に実施することが望ましい。


 この点、地方公共団体が管理する橋梁について、最近5年間(2016~20年度)の点検結果を見ると、千葉県では942の橋梁が早急または緊急に措置を講ずべき(区分Ⅲ・Ⅳ)と診断されており、このうち20年度末の措置着手済みが405、完了済みは対象の15%、142にとどまる(図表)。


 このような橋梁は全国では5万橋梁以上に上り、今後、新たに措置が必要になる橋梁が発生すること(年間約5千橋)を考慮すると、これまでの予算水準(年間約7千橋)だと対応に約20年かかるのが現状だ(国土交通省)。


 こうなると、利用している橋梁でどこがこれに該当するのか気になるが、国土交通省は全国で対策を要する道路施設の公表も始めている(「全国道路構造物情報マップ~損傷マップ~」)。


 公表の考え方について、同省では「国民の皆様に社会資本の現状や課題等について知って頂き、その維持管理・更新について、国民の皆様からの支持・支援を得るために、情報の見える化を推進しています。つきましては、道路構造物(橋梁、トンネル、シェッド、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識等)の点検により判明した『早期に修繕等の対策を必要とする施設』の現状・対策状況(2021年3月末時点)について、本サイトにて公表します」としている。


 自ら検索し、関心を持つようにするとともに、機会をとらえ、早期の対応を訴えていきたい。

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