わたしの意見-
水野 創

年初来の人口減少は取り戻し可能!

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年11月11日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 千葉県の人口は、2020年国勢調査で増加基調を確認したが、年初からは減少傾向。10月1日現在(29日公表)では6,280,561人で、年初(1月1日現在)から6,948人減少、前々年の水準に近付いている(図表1)。


 詳しい分析は11月30日に発表される国勢調査・人口等基本集計を待つ必要があるが、とりあえず現状と今後を考えてみたい。

 ①海外からの転入の減少もあって社会増減(転入―転出)の増加の勢いがやや鈍り、確実に拡大を続ける自然増減(出生―死亡)の減少を補えていない(図表2)。


 ②自治体別にみると、国勢調査時点では増加基調(5年前比増加)にあったが年初来では減少に転じている自治体が都市部でも存在(図表3)。

 今後を展望すると、都外への移住・リモートオフィス設置等潜在ニーズの実現や海外からの転入の再開により、社会増減の増加幅は拡大する。ちばぎん総研の2015年国勢調査時の将来人口推計では、2025年国勢調査まで5年間の自然減は134千人。これに対し2020年まで5年間の社会増(実績)は143千人に達しており、今後2025年までにこの社会増を確保すれば2025年国勢調査でも人口増加を維持できることになる。


 因みにちばぎん総研が先般公表したコロナ後の人口動態の変化を織り込んだ将来人口推計では、2025年は6,261千人と2020年水準まであと2万人だ。


 東日本大震災後の人口減克服の再現を期待したい。

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