わたしの意見-
水野 創

年初来の人口減少要因は地域により大きな差
―今後の地域活性化策に反映を―

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年11月18日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 千葉県人口が年初来減少傾向を続ける背景には、社会増(転入―転出)を上回る自然減(出生―死亡)、外国人の減少が考えられる。


 1~9月中の人口動態を、コロナ禍の影響前で国勢調査(2020年)による振れのない2019年の1~9月中と比較すると、①日本人の自然減と社会増がほぼ拮抗から自然減超局面に移り、②外国人が社会減に逆転しているのが分かる(図表)。そして、③日本人の社会増の増加幅が拡大していることにも注目したい。


 いくつかの市について状況を確認しよう。

(1)松戸市、市川市は県全体の特徴に近い(上記①、②がほぼ該当)。

(2)成田市では、外国人減少の影響は顕著だが、日本人の社会増減の減少幅は縮小。

(3)白井市では外国人が小幅増加、日本人の社会増減も減少幅縮小。

(4)千葉市では外国人の社会減が小幅にとどまり、日本人の社会増が大幅増加(上記③)。

(5)流山市は日本人の社会増が高水準を保ち、外国人の影響も小さい。

(6)かねて人口減少の厳しい銚子市は、外国人が小幅減少、日本人は社会減幅縮小で全体として2019年並みの減少。

 以上のように、日本人、外国人ともに地域により動きは異なっている。日本人の社会増が拡大・社会減が縮小している地域が地方部にもみられるのは励みだ。国内経済活動の活発化、海外との人の移動の再開を展望し、特徴を活かした住みやすさ、働く場の確保に努めたい。

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