わたしの意見-
水野 創

年初来の日本人の社会増減がプラスの県内自治体は24

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年11月22日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 千葉県人口が年初来(1~9月中)減少傾向となっている背景には、日本人の自然減、外国人の社会減があり、日本人の社会増が減少緩和要因になっている(11月18日号)。


 今回は、県内54自治体毎の状況を、コロナ禍の影響前で国勢調査(2020年)による振れのない2019年と比較したい(表1,2)。


 ①1~9月中も増加を続ける自治体が11。19年比で3自治体の減少にとどまる。


 ②自然増減がプラスの自治体は3まで減少。


 ③外国人の社会増減がプラスの自治体は19年中の52から18(すべて100人未満の小幅増加)に激減。既に19年中を上回る、あるいは100人以上の減少となっている自治体がある一方、県平均(19年中の増加の約3分の1)以下の減少に止まる自治体もあり差は大きい。


 ④日本人の社会増減がプラスとなった自治体は24。19年中の18を6上回っている。1~9月中に新たにプラスとなったのは、東京通勤圏だけでなく地方部にも存在。このほか、1~9月中に19年中の増加率を上回る増加率となった自治体が7、19年中の減少率を下回っている自治体が25あり、残りまだ3か月あるが、転入超・転出減の広がりに注目したい。


 ⑤外国人の社会増減が減少に転じ、既に19年中を上回る減少率となっている自治体も存在。


 具体的な自治体名を見ると、コロナ禍の地域産業への影響の大きさ、過密な都内を避ける候補地としての魅力、高速道路網の整備状況、新規開発案件、外国人にとっての住みやすさなど様々な要因が頭に浮かぶ。コロナ後に向け、大いに期待できる状況にあると思う。今後が楽しみだ。

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