わたしの意見-
水野 創

千葉県内市町村の人口動態―グループ分け

「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年12月16日号に掲載

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 2020年10月国勢調査の確報(人口等基本集計)で確認された人口増加基調と最近の減少について、県内市町村をグループ分けしてみた。


 グループ分けの基準は、人口合計、日本人、外国人の、国勢調査での5年前比増減と2021年1~9月中増減の組み合わせとした(表1)。

 例えば、千葉県全体でみると、合計、日本人、外国人ともに増加から減少に転じているため、B-B-Bの組み合わせとなるが、市町村別にみてB-B-Bの組み合わせになっているのは、松戸、浦安の2市だけである(表2)。

 ① 最も数が多いのは、D-D-B(またはD)の23。地方部を中心に54市町村の約4割を占める。


 ② これに次ぐのが、①とは外国人が1月以降増加している点で異なるD-D-A(またはC)で13。圏央道、館山道、海沿いといったイメージが強い。


 ③ 3番目に多いA-A(またはC)-Aの6。千葉市とその周辺で、東京都とは少し距離を置いた地域が多い。


 ④ ③とは外国人が減少で異なるA-A-Bは5。③より東京都寄り。外国人の減少幅が大きく全体でも減少に転じたB-A-Bは2。東京都に隣接する市川市とサーフィンの一宮町。そして日本人も減少に転じているB-B-Bも2。いずれも東京都に隣接。


 ⑤ 外国人の増加で人口全体も増加してきたのが反転したのがB-D-B。空港周辺の成田、富里市の2市。


 ⑥ この間、外国人は増勢を維持したが、日本人要因で増加から減少に転じたB-B-Aは白井市。


 現在、オミクロン株登場で外国との人の動きが再び大きな制約を受けているが、いずれこれが克服されれば、組み合わせの最後のB,DはA,Cに置き換わる。日本人は自然減の増加からそのままだとB,Dに移っていくことになるが、実際にどうなるかは、東京都から惹きつける魅力次第だ。

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