わたしの意見-
水野 創

複数のエリアをめぐって感じた時代の空気「いちはらアート×ミックス2020+」

「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年12月20日号に掲載

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 先週金曜日(17日)、雨上がりの昼過ぎ、「いちはらアート×ミックス2020+」を観に行った。


 前回(3日)、五井駅周辺の作品を短時間鑑賞していたが、今回は小湊鐵道の沿線からもっとも離れた「月出エリア」から「市原湖畔美術館」、そして牛久から五井までは「トロッコ列車」の車窓から駅の展示を楽しんだ。


 各会場で多くの作品が展示され、複数の会場をめぐってみると、異なるアーティストが表現する時代の空気のようなものが感じられさらに興味が深まった。


 極めて個人的な印象だが、①地表から空中・天に向かって広がる、②暗闇の中の光と影の動き、③里山文化との一体化などだ(図表)。それぞれが素晴らしい作品だと思ったが、全体としてみると一段と迫るものを感じる。


 月出エリアでは学校のプールに立つ前回も見た巨大作品が、その後の自然の中でより風格を増した姿で出迎えてくれ、湖畔美術館での展示と共に、地域と作品が一体で引き継がれること、一定の間隔で祭の場で人々に披露されることで、人を惹きつける力を確実に増すとも感じた。


 コロナ禍と重なり厳しい環境だったが、思い切ってこの時期の開催を決断し、運営されている皆様に心からの敬意を表したい。鑑賞する機会があって本当によかったと思う。コロナ禍でのイベント開催や、手作り感にあふれる運営の知見が今後に活かされるよう願っている。


 肝心の人出だが、平日で天候も万全ではなかったが、思ったよりあったようだ。


 団体での訪問はまだ躊躇される時期なのが残念だが、屋外や屋内の広いスペースが中心であり、個人や小グループであれば、密になる可能性は少ない。26日(日)まで残り期間はわずかだが、出来るだけ多くの皆さんにご覧いただき、感想を語り合えるとよいと思う。

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