わたしの意見-
水野 創

2022年の夢―超長期を展望した新たなスタート

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年12月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 コロナ、政権交代、ゼロカーボンなどの言葉が飛び交う波乱の2021年が終わろうとしています。毎年、最後のビジネスレターは「翌年の夢」を書いてきましたが、今年は、夢は来年では収まりません。


 ①コロナ対応、特に国境をまたぐ人の動きの本格回復は、ワクチン・治療薬の世界中への展開を考えるとパリオリ・パラの年、2024年まで待つ必要がありそうです。


 ②このため、外国人の転入回復により千葉県の人口が減少から横ばい、さらに上昇に転じるのも2023から24年までにかかり、2025年10月の国勢調査で20年調査比人口増加を維持できるか、ぎりぎり間に合うかの勝負でしょう。


 ③この間、交流人口の増加に向けて、2024年度圏央道県内区間全通、2028年度成田空港機能強化を展望した、地域と広域双方での体制整備も必要です。


 ④さらに、ゼロカーボンに至っては、2030年の13年比46%削減目標、2050年カーボンニュートラル実現の超長期の目標に向かって、各国が、国を挙げて自国に有利な枠組みづくりを図っています。既に多くの蓄積を持つ日本は、蓄積を活かす、政治、技術双方で力強いリーダーシップを発揮することが期待されます。


 ⑤ただ、政治面では、来年以降も参議院選挙、米中間選挙、大統領選挙など内外で選挙が続き、北京オリ・パラが終了後の中国外交がより強硬になるリスクを含め、環境は厳しさを増す可能性があります。日本の場合はこれに財政赤字の制約も加わります。


 ⑥なおさら産業界のイノベーションに期待がかかります。この点、いろいろな機会に会員の皆さまと意見交換させていただくと、新しい技術、事業等に取り組んでおられる元気の出る話題を数多く伺うことができ大変心強く、うれしく思っています。


 来年が、厳しい環境を前提としても、皆様それぞれにとって、長期的な発展につながる新たなスタートの年になると確信しています。

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