わたしの意見-
水野 創

新生成田市場開業、圏央道県内区間全通 ―そして東関道潮来・鉾田間開通

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年2月3日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 1月20日に新生成田市場がオープンした。成田空港に隣接した日本初の農水産物のワンストップ輸出拠点として期待される。令和6年度(2024年度)に圏央道大栄・松尾横芝間開通で整備される「(主)成田小見川鹿島港線IC(仮称)」にも至近の場所だ。県内区間全通により、県内からの迅速な集荷が可能になる。

 新生成田市場は、東関道水戸線(潮来~鉾田)開通で、千葉県だけでなく農業産出額日本3位の茨城県とのアクセスも良くなる(図表1)。この区間の開通時期は、昨年12月に開催された「同線事業連絡調整会議」で、「概ね用地取得の目途がたち、全面的に工事着手が可能となったことから、令和7~8年度(2025~26年度)の開通を目指す」と具体的な時期が示された。圏央道県内区間全通の翌年度に当たる。

 一連のインフラ整備で地域の農水産物輸出に弾みがつくことを期待したい。

 因みに、現在の成田空港の食料品輸出は増加したとはいえ、年間600億円、同空港の輸入の半分、輸出全体の1%にも満たない(図表2)。日本の農水産品輸出9,000億円に対する成田空港の比率も1割に満たない。

 また、アンケート調査なので単純な比較はできないが、千葉県、茨城県の農水産品輸出は併せても200億円、しかも、農業産出額上位県にも関わらずいずれも水産品に偏り、全国とは異なる姿となっている。

 私が参与を仰せつかっている成田空港活用協議会でも、2月1日にさっそく新生成田市場において「県内経済活性化セミナー」を開催した。

 圏央道、東関道の上記区間開通で、千葉県、茨城県の高速道路ネットワークは格段に充実する。この機会をとらえ、観光推進、企業立地と合わせ海外のニーズに応える高付加価値の農産物の生産を増やし、持続可能な、新しい農業経営の姿を見出せるよう願っている。

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