わたしの意見-
水野 創

インフラ整備を活用した広域連携に向けて ―新生成田市場、圏央道、東関道水戸線開業・開通

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年2月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 先週のビジネスレターでインフラ整備の進展とそれを活用した農林水産業、観光、企業誘致等各分野の発展に向けた期待を取り上げた。これに対し、「圏央道、東関道の開通区間拡大を活かすには千葉県と茨城県の連携が必要。行政だけでなく、経済界も積極的に取り組むべきである」とのご指摘をいただきました。ありがとうございます。

 広域連携は県内でも課題だが、今回は、両県をまたぐ連携により各種経済効果はより大きくなるはずだ。

 農水産物輸出については、先週末(4日)に農水省から令和3年の輸出動向が公表され、初めて1兆円を上回った(図表1)。発表されたリストから、輸出金額が大きい(100億円以上)、または伸びが高い(前年比+2割以上)ものを選ぶと、私たちになじみの深い名前も数多くみられる(図表2)。基準には及ばなかったが、味噌も44億円、前年比+15.7%だった。


 東京の東側に広がる緑豊かな地域として連携してブランド力を向上し、特に海外ニーズの高まっている加工食品の輸出拡大につなげたい。 

 観光については、2026年に、12年に一度の香取神宮式年神幸祭、鹿島神宮式年御船祭が巡ってくる。両神社の御座船、御迎船が利根川で合流する歴史ある祭りだ。圏央道県内区間全通(24年度)、東関道水戸線開通予定(25~26年度)とも重なる(図表3)。各地で活動を始めているDMO(観光地域づくり法人、Destination Management/Marketing Organization)はじめ幅広い関係者が、この機会に連携を深めてほしい。

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