わたしの意見-
水野 創

注目!水際対策緩和の人口への効果

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年2月22日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 

 岸田首相は先週17日の記者会見で、1日当たりの入国者数を3,500人から5,000人に戻すことなどを柱とする水際対策の見直しを表明した。

 在留資格の事前認定を受けながら来日できていない外国人は「40万人」とされる(日経新聞2月18日等)。入国再開による社会経済活動の回復期待とともに、減少を続けている全国、千葉県の外国人人口、総人口への効果にも注目したい。

 全国、千葉県の外国人人口は、コロナ禍発生後の2021年2月がピーク(表)。その後、全国では、外国人の内訳が発表されている2021年8月までの半年で95千人の減少。

 2022年1月まで公表されている千葉県でも、2021年8月までに4千人、22年1月までだと6千人の減少となっている。8月までの比較で、千葉県は外国人増加局面では全国の増加数の7%程度を占めていたが、減少局面では全国の4%程度に止まっており、働く場所、住む場所として評価されていることが分かる。

 仮に、コロナ禍の影響がなく、入国待ちとされる40万人の来日がそのまま実現していれば、2022年1月の日本の総人口は12,584万人となる。2020年国勢調査からの減少率は▲0.2%となり、実際の▲0.6%から大きく圧縮される。

 千葉県はどうか。この40万人について減少に転じるまでの上記7%程度のシェアを継続できていれば、2022年1月の20年国勢調査比は、外国人が+16%、日本人を含む県の総人口も+0.2%と、増加を維持していたことになる。

 入国再開後、40万人のどれだけが実際に来日するか、そしてそのうちどれだけが千葉県に住むことを選ぶかは今後の日本、千葉県の対応次第だと思う。

 生産、消費、まちづくりのすべてで人口は基本的要素だ。多くの人に選ばれるよう努力を続けたい。

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