わたしの意見-
水野 創

千葉県人口は3月1日を底に増加に

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年4月7日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 昨年初からの千葉県の人口減少は2月中も続き、3月1日現在では6,265,781人と、3年前の令和元年3月1日の水準6,266,203人も下回るに至った(図表1)。

 しかし、3月からは進学、就職等で例年人口増加期に入る。加えて、コロナの水際対策として取られてきた海外との移動抑制も解除・拡大の方向に舵が切られている。3月1日を底に千葉県人口は増加基調に復することを期待したい。

 今後を考えるため、今回の人口減少期を、前回の人口減少期である東日本大震災後と比較してみた(図表2)。

 今回の減少期間は1年強で、前回の3年(2011~13年)より短い。またこの間の人口減少数も19千人(2021年+2022年1,2月の減少数)で、前回3年間の25千人を下回る。

 このように減少期間、幅は前回比小さかったものの、先行きについては、プラス、マイナス双方の要因があり楽観できない。まず、厳しい方は以下の2点。

 ①高齢化が進み死亡が確実に増加していること。

 ②東日本大震災直後には外国人だけでなく日本人も被災地から避難し、復興期には日本人の戻りも大きかったこと。

 一方で、これを跳ね返すことが期待される要因も2点。

 ①今回、2021年に前年比▲4.5%と最近10年(2011~20年)平均の▲2%に比べ落ち込みが顕著だった出生が、コロナとの共存下で回復に向かう。

 ②足止めされていた海外からの転入に加え、過密な東京都を避ける国内からの動きも持続する。

  前回の場合は、増加に転じた2年後の2015年にピークを更新している。今回は3年後の2025年の国勢調査での更新を目指して、新たな仕事の場や安心・安全・快適・便利な環境の整備に取り組みたい。

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