わたしの意見-
水野 創

第7波への心構え

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年4月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 感染力が従来比強いとされるオミクロン株の派生型「XE」が国内でも確認され、都道府県では秋田県、新潟県、鹿児島県などで、県内でも旭市、多古町、東庄町などで新規感染者が第6波のピーク時を上回っている。早くも第7波に向けての心構えが必要になっているのだろう。

 オミクロン株の感染力の強さは、第5波から第6波にかけての県内自治体別の感染状況の変化で確認した(本レター3月31日号)。ここでは、入院、重症化について、県公表の年齢別の統計をもとに、第5波のピーク(21年8月合計値の7日間換算)と第6波のピーク(2月7-13日)の7日間を比較して今後の参考にしたい。

 ①新規感染者数は全体では4倍に増加、年齢別には40歳代以下が多く、人口に対する比率も80歳以上を除けば若いほど高い。第5波のピーク時比では、10歳未満と共に70歳以上の増加率が特に大きい。

 ②ピーク時の入院者数は第5波と第6波でほぼ同水準だが、第5波では50、40歳代が多かったのに対し、第6波では60歳以上が大半。第5波との比率でも80歳代以上が特に高い。

 ③重症者数は大幅に減少。40歳代以下はごく少数。

 このように第6波では、感染者が大幅に増加し高齢でも入院していない感染者が増加した。若い世代ではさらに多くの人が入院せずに対応したことになるが、重症者が50歳以上に限られていることに救われている。

 今後、新規感染者数が増加しても、若い世代は気にも留めない人が多いだろう。しかし、死亡率は低下しているものの感染者の増加から死者は減っておらず、高齢者が感染した場合のリスクは気になる。

 ワクチン接種を進めるなどピーク時の山をできるだけ低くするとともに、高齢者のサポートがよりきめ細かくできるような情報発信・体制整備を強く期待したい。

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