わたしの意見-
水野 創

人口回復に向け期待!―出入国統計3月速報

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年4月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 コロナの水際対策(海外との人的交流抑制)の段階的緩和の一環で、3月1日から外国人の新規入国制限が見直され、観光目的以外の外国人(商用等が目的の短期間(3か月以下)の滞在者、留学生・技能実習生等長期間の滞在者)の新規入国が認められるようになった。

 これを受けた3月の出入国管理統計速報(4月15日発表)では、外国人が2月の出国超から入国超に転じた。外国人の3月の入国超はコロナ禍以前の2019年以来3年ぶり。今後の人口回復に向け期待できる内容だと思う。

 日本人についても3月からは日本帰国時の制約は緩和されており(3回目のワクチン接種を条件に自主待機を免除等)、2月の出国超から入国超に転じている(外国人と異なり3月はこれまでも入国超)。

 4月以降は、一日当たり入国者数上限が一段と引き上げられ(3月1日~:5千人、14日~:7千人、4月10日~:1万人)、入国拒否対象国からの106か国削除(感染症危険情報レベル3から2への引き下げ。56か国はレベル3のまま。4月8日)の効果もあり、入国超数は一段と増加することが期待される。

 入国者数のうち人口統計の対象は長期間の滞在者であるため、入国超の人数がそのまま人口増加につながるわけではないが、もともと入国待ちの外国人が多数いるとされており、人口統計にどのように反映されてくるか楽しみだ。

 なお、地域にとっては、これら新規入国者がどの地域に住むかが重要になる。成田空港の全国シェアはコロナ前の3割から5割台半ばに上昇しており、日本の表玄関としての機能を発揮している。交通利便性や働く・学ぶ場の確保、暮らしやすさなどこれまでの取り組みが成果を発揮することを期待している。物価が上昇している時期なので、住宅費を含む生活費の安さが選択基準の一つになるかもしれない。

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