Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

神谷市長「千葉市のミライ」─千葉商工会議所セミナー

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年11月21日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 10月末、千葉商工会議所が神谷千葉市長を招いて、「千葉市のミライ─開府900年から100年先を見据えて─」をテーマに合同オープンセミナーを開催。まず、神谷市長から、これまで実施してきた施策と26年の千葉開府900年に向けた取組みを中心に、以下のような話があった。

  • ここ数年、千葉市への人口流入が継続、全世代での流入超が特徴。ベッドタウン色が強い川崎市などと異なり、住む場と働く場の双方が意識されている。
  • 働く場を意識した産業育成の観点から、創業者・イノベーション支援、リスキリング促進、企業立地促進(メルセデスベンツ日本ほか)・産業用地確保などに注力。
  • 住む場としての魅力向上の観点から、子育て支援、千葉駅周辺のまちづくり、千葉公園「芝庭」をはじめとした公園の魅力向上などに注力。子育て支援に関しては、就学前児の発達に関する相談窓口「こども発達相談室」の設置というユニークな取組みを11月より開始。
  • 26年の開府900年に関しては、シビックプライドを高めるきっかけにしたい。千葉市の魅力発信のため「千葉国際芸術祭2025」を開催、郷土博物館のリニューアルなども予定。

 次に私が市長と対談。その後の参加者からの質問と併せて、主な質疑応答は以下のとおり。

  • ブランド戦略を含めた長い目でみた人口減への対応→(市長)ある程度の人口減は受け入れざるを得ないが、働く場と住む場の魅力をバランスよく高めることが大事。ブランド戦略としては「ゆとりある生活」をアピールできれば。
  • 防災対応と企業の心構え→(市長)災害時の電力確保に向けて市の施設に太陽光発電を設置、他の自治体との相互支援体制も構築。企業には基本的なBCP計画の策定を期待。
  • 高まらない中小企業の脱炭素意識の醸成→(市長)本年創設した「千葉市脱炭素推進パートナー支援制度」への参加をきっかけにして欲しい。
  • 開府900年に向けた企業の協力→(市長)今後創設するメンバーシップ制度への参加などを通じて幅広い協力を期待。
  • 千葉を素通りするインバウンド対策→難しい課題だが幕張メッセのイベントなどをもっと活用できれば。
  • 新湾岸道路の景観への影響→予算的に地中は難しいかもしれないが、地上であっても景観への影響を小さくする建設方法はあると理解。

 セミナーの詳しい内容は当社のマネジメントスクエアに掲載予定(来年1月号)。

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