Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

日銀7月会合─次回利上げの早期化を示唆

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年8月3日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日銀は先週金曜日、金融政策決定会合を開催し、四半期毎に経済・物価見通しを示す展望レポートを公表(主要計数は下表)。

 6月に利上げしたばかりであり、今回は政策変更なし。しかし、以下のように、遠くない将来の利上げを示唆するタカ派的なメッセージは多かった。

 ①経済・物価見通しは4月から概ね不変。潜在成長率並みの緩やかな経済成長が維持されるもとで、物価上昇率は振れの大きい生鮮食品・エネルギーを除けば2%を超える状態が続くとの見通し。

 ②見通しのリスクバランスは経済が下振れから中立に修正、物価は引き続き上振れリスク。経済については、中東情勢がなお下押しに働く一方、グローバルなAI需要や政府の財政政策などが下支えし、下振れリスクが低下したとの認識。

 ③金融政策運営については、基調的な物価上昇率が2%を大きく超えず安定させる観点が重要であることをレポートで明示。

 ④会合後の記者会見で植田総裁は、ビハインド・ザ・カーブ(後手に回る)について「リスクは無視できず、後手に回らないよう運営していく」とし、利上げは「次回以降の決定会合でしっかり議論」と発言。

 これまで日銀の利上げペースは概ね半年に1回程度であり、6月の次は12月が中心との見方が多かった。今回の展望レポートや植田総裁の記者会見を踏まえると、次回利上げは12月より早まる可能性が高いとみておいた方が良さそうだ。

 先週は、財務省が再び円買い介入を実施し、米国財務省も協調介入の形で日本を支援したとされており、日米ともにこれ以上の円安進行を望まないスタンスにあることも判明した。

 次回利上げのタイミングについては、日銀短観を含め経済・物価のデータが蓄積され、見通しも公表される10月を中心と考えつつ、為替円安が再び大きく進行するような場合には、9月に早まる可能性も一応念頭に置いておきたい。

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