Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

北千葉道路は一歩前進

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年1月14日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 北千葉道路(国道464号)は、千葉ニュータウンを通る形で外環道と成田空港を最短距離で結ぶ、全長約43kmの幹線道路(図表1)。1960年代後半に計画が始まり、現在30km弱が開通。

 千葉県は1月12日に、最大の未整備区間、外環道に繋がる西側約15km(暫定供用含む)に関し、一部有料道路とした上で道幅や高架・地下化など具体的な構造を固め、都市計画変更を決定した。道路の開通までには、大きく分けて「都市計画・環境アセスメント」と「事業実施」の2つの過程がある。今回の決定は、前者の過程での動きであり、事業化に向けた着実な前進。

 北千葉道路の沿線エリアである千葉ニュータウン・成田市は、もともと国から「業務核都市」に指定され、首都圏において産業面の中核拠点となることが期待されている。周辺7市の千葉県全体に占めるシェアは、面積では1割程度、人口では約200万人と3割を超える重要な経済圏。道路が全面開通となれば、同地域の更なる発展が見込まれる。また、先端産業が育ちつつある成田エリアと柏エリアのアクセスを改善させ、県全体の先端産業発展にも資することも期待される。

 総研が昨年5月に実施した、首都圏の企業を対象とする交通インフラに関するアンケート調査によると、首都圏37のインフラのうち北千葉道路は上位4位の期待度(図表2)。当該地域だけでなく、首都圏の幅広い企業が早期開通に大きな期待を寄せている。

 道路の全面開通は、近年の自然災害の多発を踏まえると、災害時における緊急輸送道路としての役割も大いに期待される。

 私自身、成田から外環道まで通ってみたが、鎌ケ谷市において北千葉道路を降りたところで急に渋滞し始めることを経験し、その早期開通の必要性を肌で感じた。2030年までには成田空港の第3滑走路が完成する見通しであるが、北千葉道路も同じ時期の完成を目指し、両者の相乗効果を狙いたい。早期の全面開通を強く期待する。

(図表1)北千葉道路の位置図

(出所)各種資料より㈱ちばぎん総合研究所が作成

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