Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

千葉県の感染減少にはやや遅れ―ヒトの動きの抑制継続を

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年1月28日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 全国における新型コロナの感染状況をみると(図表1)、新規感染者数が減少に転じる一方、新たな退院・療養解除者数が増え続け、先週から両者の逆転現象が開始。医療体制への負荷という点では、今後の軽減の可能性を示す良い兆候であるが、ストックベースでみた患者数や重症者数は高水準にあり、なお極めて厳しい状況にある。


 緊急事態宣言下にある首都圏の新規感染者数も(図表2)、減少に転じている。ただその中で、千葉県の減少ペースは、東京や埼玉などに比べかなり緩やかであり、退院者数等との逆転は正に始まったばかり(1/27日時点、新規感染者数367人、退院者数等408人<7日平均>)。


 千葉県の飲食店等におけるヒトの動きをみると(図表3)、東京や埼玉と同様、12月下旬をピークに着実に減少し、昨年5/25日の緊急事態宣言解除以降のほぼ最低水準。ヒトの動きの相対的な高止まりが感染減少の遅れの主因とまでは言えず、学校や介護・医療施設などでのクラスターが影響していそうだが、感染減少が遅れているだけに、ヒトの動きにブレーキを掛け続けざるを得ないだろう


 緊急事態宣言の解除のためには、現在のステージ4から少なくともステージ3に移行する必要。ステージ2に向かう必要性を指摘する声もある。その判断のベースとなる複数指標のうち、新規感染者数をみると、千葉県では1/27日時点で367人(7日平均)と、ステージ3の条件約220人(東京約500人)未満を大きく上回り、ステージ2の条件約130人未満には遠い


 緊急事態宣言がどうなるかは不確実であるが、少なくとも千葉県の場合、感染減少を確かなものとするためには、ヒトの動きの抑制をはじめ、もう少し努力の継続が必要だ

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