Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

千葉県への人口流入は堅調──首都圏も流入超を維持

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年5月28日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 国内の人口移動を示す総務省の「住民基本台帳人口移動報告」について、21年4月分の計数が昨日公表人口移動は3~4月で年間の4割程度を占めるため、コロナ後の動向を見る上で重要なデータだ。3~4月計数を含め昨年春以降の特徴をみると以下のとおり。


 ①全国の移動者数をみると(図表1)、20年4月から秋にかけて前年を下回った後、年末頃からは振れを伴いつつ前年並みで推移。ヒトの動きはなお鈍いが、減少傾向には歯止めが掛かりつつある様子


 ②一頃転出超となっていた東京都の人口移動は3~4月に転入超。均してみれば、東京を含め首都圏への人口流入は鈍化するも維持される姿(図表2)。


 ③千葉県への人口流入は堅調さを維持20年度は全国第3位の転入超と19年度の第5位から躍進し、首都圏で唯一増加(図表3)。21年3~4月では9,754人と20年(7,580人)を大きく上回り、コロナ前の18~19年平均(9,714人)対比でも若干増加。


 別の統計で千葉県の市町村別の20年度人口移動をみると(図表4)、転入超は、千葉市が1位継続かつ19年度比増加し、八千代市などでも明確に増加。一方、成田空港の影響が大きい成田・佐倉市やディズニーランドの影響が大きい浦安市などで転出超が目立った。


 首都圏への人口流入が維持される下で、千葉県では相対的に堅調な流入が継続し、今のところ良好な姿。ただし、コロナが収束に向かえば東京都への流入も元に戻る可能性もある。居住地としての千葉の魅力向上のために、様々な取り組みの継続が必要だ。

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