Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

「千葉イノベーションスクエア構想」

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年8月6日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県経済同友会は、本日、「千葉のイノベーション促進に向けた勉強会」を進めることを公表。同友会では、19年7月に「千葉県の30年後の将来像」、20年7月には同「自然災害・コロナ禍を踏まえた追加提言」を公表。後者の際、2つの論点について特に早期実現を目指す必要があるとし、この度、「災害時の情報共有・広報・連携」の最終取り纏めを完了、もう1つの論点であるイノベーションについて勉強会を本格化させる方針を示した。要点は以下のとおり。


(問題意識)
 ① ポストコロナの経済発展を目指していく上で、デジタル化やグリーン化といった分野を含め、イノベーションの促進が千葉県にとって益々重要。


 ② イノベーション促進は、千葉県の経済発展のみならず、東京都一極集中の是正、バランスのとれた首都圏全体の発展にも資する。


 ③ 経済界の考え方を適切に発信し、新県政のもとでの産業育成に貢献していくことが重要。


(イノベーション促進の基本的な考え方)
 ① 産業・地域の双方の視点が大事であり、それらの有機的な繋がりが県全体の発展に資する。地域の繋がりのために交通インフラも重要。


 ② 地域としては、1983年の「千葉新産業三角構想」で想定された湾岸、かずさ、成田に東葛を加えた、4エリアを中心に検討。


 ③ 分野としては、主に千葉県の強み・特徴を活かせるもの。湾岸エリアでの水素事業を始めとしたグリーン化、かずさ・成田・東葛エリア等で土台ができつつあるヘルスケア産業、全国有数の農林水産業等に活用できるスマート化など。


 ④ 名称(仮称)は、三角構想の発展形として「千葉イノベーションスクエア構想」(スクエアは4エリアと広場を意味)とし、「グリーン県ちば」も目指す。


 千葉県経済は、長引くコロナ禍において全国対比で見劣りする訳ではないが、需要が急増するデジタル関連が少ないことが今一つ弾みのつきにくい要因のひとつであり(表)、グリーン化についても盛り上がりに欠ける感。県経済の長期的発展のみならず、人や企業をさらに呼び込む上で、イノベーション促進やグリーン化への本格的な取組みは極めて大事だ。


 私も、同友会の企画委員として、来年夏の報告書作成に向けて、しっかり貢献していきたい。

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