Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

いちはらアート×ミックス2020+

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年12月7日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 房総里山芸術祭「いちはらアート×ミックス2020+」が、11月19日~12月26日の日程で開催されている。2014年に産声を上げた芸術祭は、3年に1度のトリエンナーレ方式で2020年の開催予定だったが、コロナの影響で2度延期になった後、今回の開催に至ったという経緯だ。関係者には、これまでのご尽力に敬意を表するとともに、心より祝福を申し上げたい。


 同芸術祭は、歴史・文化・自然・人の暮らし・食・スポーツなど、地域の持つ様々な資源を現代アートと融合し、古来より守り育まれてきた美しい里山に活力を漲らせ、より魅力的な「いちはら」を再発見する、新しい形の芸術祭と位置付けられている。


 今回は、「房総の里山から世界を覗く」をテーマに17の国・地域から約70組のアーティストが参加し、約90点の芸術作品を出展。総合ディレクターは、「瀬戸内国際芸術祭」などを手掛けたアートディレクターの北川フラム氏。開催エリアは、中房総の小湊鐡道周辺地域で、五井から養老渓谷まで9エリアで開催(下表)。前回の7エリアに、五井など2エリアが加わった形だ。

 実行委員会会長である小出市原市長のあいさつ文によれば、「2020+」の「+(プラス)」には、①開催年の「+」のほか、②これまでの芸術祭により培った「レガシー」を未来に継承するとともに、令和元年に発生した未曽有の自然災害からの「復興」とコロナ禍により変わりゆく社会に立ち向かう「挑戦」をテーマに加えるという「+」、③更に魅力を高めた芸術祭にするという「+」、いずれも強い想いを込めたとしている。


 美術作品がメインだが、映画などの上演やワークショップの開催もあるようだ。沿線の里山や廃校を展示場としているのがアート×ミックスの特徴の一つだが、今回は、五井駅─養老渓谷駅間の全17駅舎も「駅舎プロジェクト」として活用されている。


 オフィシャル・ホームページやガイドブックでは、幾つかのモデルコースや、土日のオフィシャルツアー、食事処などが紹介されている。


 現在は、開催期間の中ほどに当たる。3回の週末を含め、まだまだ訪れる日にちはありそうだ。私も機会を見付け回ってみるつもりだが、皆さんもコロナ禍における千葉の観光を盛り上げることも意識しつつ、芸術祭を楽しんでみては。

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