Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

「過去と未来の首都圏道路ネットワーク」─2.5環状の必要性

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2023年3月2日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 昨日(3月1日)、オンライン形式で「過去と未来の首都圏道路ネットワークと道路の機能強化」と題するシンポジウムが開催された(主催:産経新聞社)。第1部の久保田埼玉大学教授による基調講演のあと、第2部がパネルディスカッション。司会を木場キャスターが務め、パネリストとして廣瀬関東地方整備局長や谷口筑波大学教授、井伊産経新聞論説副委員長に加え、私も参加。

 パネルでは、首都圏道路ネットワークに関する「これまで果たしてきた役割」と「新時代に求められる姿」のあと、「新時代に求められる道路の機能」を議論。道路ネットワークは、東名高速や中央道、東関道など都心を中心とした「9放射」が先行し、中央環状、外環道、圏央道の「3環状」が整備されてきたという経緯があるが、今回は3環状の効果の議論から始まった。

 3環状のこれまでの効果として、多くのパネリストから、渋滞緩和効果や都心から羽田空港へのアクセスの劇的な改善、物流施設の大幅増加などが指摘された。私からは、アクアラインも含めた3環状の整備により千葉県の半島性のデメリットが解消に向かっていることなどを指摘した。

 新時代のネットワークの姿としてパネリストから相次いだ指摘は、外環道(2環)と圏央道(3環)の間を通る2.5環状の必要性(下図)。2環と3環の距離は千葉が最も遠く、その分2.5環の効果も大きい旨の廣瀬局長の発言が印象的だった。私からは、双方を繋ぐ北千葉道路や新たな湾岸道路、2.5環と目される千葉北西連絡道路に加え、圏央道外側(外房地域)の道路整備も必要などと指摘。

(図)千葉県の高速道路網の整備予定

(出所)各種資料をもとに(株)ちばぎん総合研究所が作成

 新時代の道路の機能については、技術や価値観の変化に応じ柔軟に対応していく重要性が指摘され、幅広い議論となった。私からは、①道路空間の街づくりへの活用、②高速道路における自動運転専用レーン設置による渋滞解消などをコメント。前者の例としては、既に国道357号線のアンダーパス(千葉銀行本店前)の地上空間を活用した社会実験がある。

 パネルディスカッションの詳細は、後日YouTubeや弊社マネジメントスクエアに掲載予定。ご関心のある方はご覧いただきたい。

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