Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

関心高まる千葉県での立地─県の企業誘致セミナーin東京

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年2月20日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2月6日、千葉県主催の企業誘致セミナーが東京で開催された。熊谷知事の講演のあと、トークセッションでは千葉県に拠点を持つ企業(イオンネクスト、東洋合成)の代表のほか私もパネリストとして参加。

 本年度は来場者が大幅に増加。より多くの企業が千葉県での企業立地に関心を持つ様子が窺われた。

 千葉県の企業立地は22年に大幅に増加(図表1)、23年も高水準となった模様。物流拠点が中心だが、研究拠点や工場などの案件も増えている。

 企業立地拡大の背景には、①コロナが収束しDX・GX関連を含め企業が前向きの投資に転換し、②円安や経済安全保障の意識もあって日本企業が海外より国内を優先(図表2)する中で、千葉県の魅力が高まっていることもあろう。

 千葉県での立地の背景について企業からは、①東京圏の一角にあり産業集積も進んでいること、②成田空港への近さ、③教育水準が高く優秀な人材も確保しやすいこと、などの説明があった。

 私からは千葉県での立地を検討する企業に対し、以下のようなメリットを付け加えた。

 ①交通インフラの進化。立地が好まれやすい東京圏の中で、高速道路網が急速に拡充され、成田空港・千葉港も機能強化の方向にあるなど、魅力が高まっている。

 ②労働力確保の優位性。立地企業からは「優秀な女性が確保しやすい」との声が多く聞かれる。日経による「共働き子育てしやすい街ランキング(23年)」では松戸市が全国トップ、上位20に市川市・千葉市が入るなど、千葉県では子育て支援を強化している自治体が多い。

 ③新たな産業のポテンシャル。千葉県はCO₂排出量が全国トップである分、脱炭素のビジネスチャンスが大きい。スタートアップについても官民支援の環境整備が進み始めた。

 熊谷知事からは、新規立地だけでなく再投資した際の支援メニューも用意しているほか、不足気味の産業用地については市町村や民間事業者と連携し整備に向けた取組みを強化していくことなどで、企業立地の魅力をさらに高めていくとの話があった。

 詳細についてご関心のある方は、当社のマネジメントスクエア(5月号に掲載予定)をご覧いただきたい。

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