Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

24年度も事業計画は積極的──日銀3月短観

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年4月1日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 本日(4/1日)、日銀短観3月調査が公表された。

 業況判断(表1)をみると、全規模・全産業では+12と、前回(+13)から若干低下したが、良好な水準を維持。

 前回からの低下は、自動車を中心とした製造業の悪化が影響。一部メーカーの不正問題による生産減少が背景だ。一方、非製造業は、個人消費関連が良好な水準を維持し、建設・不動産がさらに改善したことなどから、とくに大企業では+34と33年振りの高水準となった。

 今回はじめて24年度分が示された事業計画は、設備投資が引き続き増加傾向にあるなど、企業は積極的な姿勢を維持。

 全規模・全産業ベースでみると(表2)、売上・収益は、23年度が上方修正され増収・増益、24年度は小幅の増収・減益計画ながら、当初計画が慎重であることを踏まえれば増収・増益で着地する可能性が大。ソフトウエア・研究開発を含む設備投資は、23年度に2桁増となったあと、24年度も増加の計画。23年度の当初計画との比較では、売上・収益・設備投資ともに大きな違いはない。

 この間、大企業を含め人手不足感がジワジワ強まっている(表3)。全規模の不足超幅36も33年振りの水準。先行きは、新卒が十分に採用できていない中小企業での不足超拡大が目立つ。

 今回の短観の結果は、日本全体としてみれば、経済の前向きのモメンタムが維持され、企業も積極的な姿勢を堅持していることを示すものと考えられる。千葉県企業でも引き続き前向きな取組みを期待したい。

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