Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

北千葉道路の全面開通に向けた動きが再び活発に

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年5月20日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 北千葉道路(国道464号)は、千葉ニュータウンを通る形で外環道と成田空港を最短距離で直結する、全長約43kmの幹線道路(下図)。1960年代後半に計画が始まり、現在30km弱が開通する一方、東西の両端部分が未完成だ。

(図)北千葉道路の位置図

(出所)各種資料より(株)ちばぎん総合研究所が作成

 北千葉道路の全面開通で期待される主な効果は、①周辺道路の渋滞緩和やそれに伴う交通事故の減少、②緊急医療や災害の際の輸送ネットワークの機能強化、そして、③28年度に機能強化される成田空港と他地域とのアクセス向上による経済・人的交流の強化など。

 近年の重要な変化は、21年3月、外環道に繋がる最西端部分の約3.5km区間(市川・松戸地区)の新規事業化が決定されたことだったが、本年4月以降、幾つかの前進があった。

 まず4月26日、国土交通省(首都国道事務所)が市川・松戸地区の用地買収に本年度着手することを公表。本年度の事業費として、調査設計と用地買収で9億円を計上した。

 次に5月11日、斉藤国交大臣が北千葉道路に関連して千葉県を来訪。北千葉道路・成田市区間の視察のほか、熊谷知事や沿道7市長との懇談会などに出席。私も斉藤大臣にお目にかかる機会があり、「ちばぎん総研のアンケートによると、北千葉道路は千葉県だけではなく東京圏全体の企業からの要望が高い」ことなどを説明させていただいた。

 今回の視察に関しメディアは、斉藤大臣が「地域の街づくりとともに日本の国際競争力強化のために、早く完成させなければならない」との認識を示したと報道しており、北千葉道路の重要性について一定の理解が得られたものと思われる。

 成田空港の機能強化の関係では、5月7日に熊谷知事と成田国際空港会社の田村社長が斉藤大臣に対し、新しく建設されるC滑走路近くに圏央道のインターチェンジを追加的に設置することを要望したことも注目される。これによって貨物ターミナルと圏央道の接続が円滑になり、物流機能の強化に繋がることが期待される。

 北千葉道路の全面開通と成田空港の機能強化は、相乗作用を生みながら経済発展に資することは間違いない。千葉県の関係者としては、それらの早期実現に向けて努力を重ねていくことが大事だ。

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