Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
千葉県企業誘致セミナーin東京─成田空港機能強化を強調
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年12月2日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
11月半ば、千葉県主催の企業誘致セミナーが東京で開催された。熊谷知事の講演に加え、トークセッションでは千葉県に拠点を持つ2企業(キッコーマン食品、PDRファーマ<医薬品>)の役員のほか私もパネリストとして参加。
セミナーで強く印象に残った第1の点は、来場者の大幅増。私は3年連続で本セミナーに参加しているが、来場者は年々増加し、今年度は2年前の2倍程度に上る200名近くと見受けられた。千葉県での企業立地への関心が高まっていることの証左だろう。
実際に、千葉県では23年の企業立地件数が84件、立地面積が184haと、大幅に増加した22年に続き高い水準(図表)。24年も物流施設や研究拠点を中心に高水準の企業立地となっている模様である。

第2は、熊谷知事が講演で成田空港の機能強化について詳細に述べたこと。成田空港は28年度末を目指し第3滑走路の新設などが予定されており、周辺での産業集積を含めその活用次第では千葉県経済の発展にとってのエンジンとなる。岸田前総理が8月に「国家プロジェクト」として、経済特区活用を含め総合的な支援策を取り纏めるよう関係省庁に指示したことから、知事も詳細に説明したものと思われる。
成田空港は、国際旅客・貨物の双方において日本一と国の基幹インフラであり、その機能強化は国家的意義を持つ。有識者からなる検討会は7月に、28年度末の第3滑走路完成に続き、①3つある旅客ターミナルのワンターミナル化、②新貨物地区の整備と圏央道へのダイレクトアクセス、③周辺に産業が集積する自然と調和したエアポートシティ、などの実現の重要性を指摘した。
熊谷知事は周辺の産業集積の候補として、物流施設に加え、精密機械関連、航空宇宙関連、健康医療関連、農業関連を挙げた。いずれも航空輸出と高い親和性を持ち、外需獲得に資する産業との考えだ。健康医療関連は医療ツーリズム、農業関連はアジアへの新鮮な高級農産物の輸出が意識されているのだろう。
成田空港に関し私からは、周辺地域および房総半島全体の観光産業にもプラス効果が及ぶようなデザインを描くよう要望した。
詳細についてご関心のある方は、当社のマネジメントスクエア(2月号に掲載予定)をご覧いただきたい。
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