Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

SDGs・脱炭素──生活者の意識

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年7月6日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県による「ゼロカーボンシティ」宣言や市原市の「SDGs未来都市」選出など、千葉県でもSDGsや脱炭素(図表1)に向けた動きが目立ち始めており、先行き自治体・企業の双方において取組みの本格化が期待される「点描」6月2日号「ちば経済トレンド」7月号参照)。


 こうした取組みを進めるに当たって、生活者の意識を知っておくことは重要だ。電通では、これまで「SDGsに関する生活者調査」を4回実施、新たに「カーボンニュートラルに関する生活者調査」も開始した(共に10~70代の男女計1400人を対象)。直近調査(それぞれ21年4月、6月公表)の内容をみると、以下のような特徴。


 ① 認知度をみると(図表2)、SDGsが54.2%、脱炭素は51.9%と共に半分程度SDGsは1年前の第3回調査(29.1%)対比で大幅に上昇。「コロナ禍を経てSDGsへの関心が高まった」人が32.4%で、大きな背景とみられる。ただし、いずれも「内容まで知っている」とする回答は2割程度にとどまる。


 ② SDGsの認知度に関しては年齢別の調査があるが、男女ともに10代が7割を超え、他の年代に比べ目立って高い。「SDGsを自分で行うにはハードルが高い」との回答も同年代が22.1%と最も低く(40代以上は4割前後)、若年層の意識の高さが窺われる。


 ③ 脱炭素に関しては取組む企業に対する評価の調査があるが(図表3)、「応援したい」が約7割、「商品・サービスを購入したい」、「信頼できる」、「長期に利用したい」が約6割と、購入判断の一要素と考える意識も窺われる。脱炭素に伴って生じる費用は7~8割が「許容する」とし、飲食費や旅行・レジャー費などでは5割近くが月500円超の追加負担を許容すると回答。


 以上のように、SDGs・脱炭素に対する生活者の意識は高まっており、企業としても、早期の取組みが顧客獲得に繋がりうることを認識しておく必要がありそうだ。

(出所)図表2、3:(株)電通「第4回SDGsに関する生活者調査」「第1回カーボンニュートラルに関する生活者調査」より(株)ちばぎん総合研究所が作成

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