Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

新湾岸道路などについても少しずつ前進

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2024年7月10日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 5月20日付の点描で北千葉道路の全面開通に向けた歩みをお伝えしたが、新湾岸道路なども少しずつではあるが前進しているので、ご紹介したい。

 6月下旬に社会資本整備審議会の道路分科会・関東地方小委員会が開催され、関東地方整備局から、①「新湾岸道路」と②「核都市広域幹線道路」の検討状況について報告があった(道路網は下図参照)。同委員会は、国の直轄事業の評価など関東地域における道路事業の効率的な実施に関し意見を聴取すること等を目的としたもので、私も委員として参加している。

(図)東京圏の高速道路網の整備予定

(出所)各種資料をもとに(株)ちばぎん総合研究所が作成

 ①「新湾岸道路」は、東関道・高谷JCTと館山道・市原IC付近を結び、東関道・京葉道・国道16号・357号の海側バイパスルートとなるもので、湾岸地域の渋滞緩和効果が期待されている。昨年6月に「新湾岸道路検討会準備会」が発足、今年度は概略ルート・構造の検討に係る調査が予定され、有識者委員会を設置し、沿線地域から広く意見を聴取する方針が示された。

 地方整備局の分析によれば、千葉県の湾岸地域の道路は、地域内で行き来する交通よりも地域内外を結ぶ或いは外々を起終点とする交通が圧倒的に多く、幅広く利用されているとのこと。これに関連して私からは、数年前に総研が行ったアンケート調査に基づき、千葉県だけでなく東京圏全体の企業から要望が高い道路である旨の意見を申し述べた。

 ②「核都市広域幹線道路」は、首都高埼玉新都心線と東北道付近を結ぶ埼玉エリアの検討状況の報告。同幹線道路は、圏央道と外環道の間に並行することで1都3県を連絡する「2.5環状」とも呼ばれ、千葉の道路開発にも大きく関係するもの。県の北西と中心を結ぶ「千葉北西連絡道路」がその一部に当たるとされる。

 外環道整備の波及効果もあって埼玉県南部が慢性的な混雑状態にあることを踏まえ、埼玉エリアの検討が先行。すでに沿線地域との対話が進められており、今後は道路の課題・効果を把握した上で、複数案が提示される方針との説明があった。

 新湾岸も2.5環状も完成までに長期間を要するが、千葉県の関係者としては、少しでも早期に実現するようその必要性を粘り強く訴えていくことが大事だ。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。